映画パンフレット バンザイ!

風の谷のナウシカ,1984

風の谷のナウシカ表紙

パンフレットデータ

発行 大映(株)
(株)徳間書店
  企画・編集 (株)大映アートポート
デザイン&レイアウト アネックス   定価 300円
判型 A4   総頁数 20頁

まだ、うまさをひけらかしていないころの宮崎駿作品。手元にある「金曜ロードショー」を録画したビデオテープには冒頭、「スタジオジブリ作品」という、例のトトロ横顔ロゴが登場しますが、エンディングのクレジットにもパンフにも「スタジオジブリ」の名は一度も出てきません。どちらも制作は「トップクラフト」というクレジットになっています。後にジブリが版権を確保したのでしょうか。

かつて別のところでも書いたことですが、これほど魅力的に「飛ぶ」ことを描いた映画を他に知りません。み終われば、ナウシカとともに空を駆けめぐったような快い疲労感に包まれること間違いなしです。あ、でもちゃんと劇場のスクリーンでなければ保証はいたしません。

最近思ったことなのですが、この作品が示している世界は、「バブル後の日本」を象徴しているようにも思えるのです。つまり、「経済という名の巨神兵」が世界を滅ぼしたあとの物語。クシャナは「巨神兵=経済こそ力」と信じて止まず、景気回復を願う日本大衆を表象しているのかもしれません。また「腐海こそが空気を浄化している」という設定は、モノをつくり、技術を育てることをしなかったバブル期〜バブル後の日本への警鐘とも取れるのです。ただし、本作の公開年は1984年。いわゆる「バブル景気」と呼ばれる景気の始まる前。おそらくは私の単なる深読みに過ぎないのでしょう。しかし、バブルの前兆となる日本の状況が、宮崎駿をして無意識にそんな危機感を作品に含ませたのかもしれません。

(2004年6月)

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